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袴田竜太郎 2016年作品

題名:宮前橋のエスキース
作者:袴田竜太郎
・油絵でドローイングした箱をインスタレーション ・多摩美術大学 絵画学科油画専攻卒業

油絵の具でドローイングした直方体の箱を高い位置に設置したインスタレーション作品です。

正直に言いますと、とても惜しい作品です。
もう少し視点を変えたら、独創的なインスタレーション作品になったと思います。
僕が大変感動したのは、見上げる箱の底に、神社の建物が抽象的に描かれた面です。
大変シンプルですが美しいです。
筆で描かれた形と紅と緑のにじみが自然と神社の建物が融合して日本の美意識です。
見上げる箱の底に描かれている空間設定が秀逸です。。その遊びが突き抜けています。
天の橋立てを股の間から逆さまに見ることを思い出しました。
だから、底を見させるために底の面を広くして、もっと描いて欲しかったです。
日本的な新しい形のインスタレーションになったと思います。
ただ箱の前の面は手慣れた感じの絵であまり良くないです。
敢えて、橋や風景を省いて水面と空の形だけでいいと思います。
作者は、一昨年から日本の神社などとの「接点」をモチーフに新しいインスタレーションを生み出そうとしています。

小品ですが挑戦する意欲が感じられます!
上空の箱の底を見上げさせる方法、又やってみてください。
じっと見上げて、首が痛くなるのがいいです!!

…ずっと以前、時間あると1人でバスに乗り海や山、神社に遠出しました。その途中、橋が在ると、橋の上で何時間も佇んでいました。
水面と大空の宙釣りの位置で2つの空間の色や形の変化を楽しみました。
それは、風景に抱かれた快楽でした…(藤澤伸太郎)


ぽっかり浮かぶ矩形 箱の底を見上げて覗く 紅と緑がにじむ彼岸の形

水面と大空に掛かる快楽


2017年4月18日
 

| oiai | 19:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
柏原崇之 2016年作品

題名:a lump on
作者:柏原崇之
・東京芸術大学 先端芸術表現科卒業

人の頭に大きな塊を載せた形の木彫り作品6点をインスタレーション

一見、可愛い人形たちのように見えますが、じっくり見て…想像しますと、まことに衝撃的な姿が浮かび上がります。
人間の頭に大きないびつな石の塊が乗った姿です。
その不安定な立ち姿が悩みを抱える現代の人間のようで、ユーモラスでちょっとシュールです。
人間の丸みのある形と石のゴツゴツとした対比が違和感があって面白いです。
でも、ちょっとモダンに成りすぎてインパクトが薄いですが…
一番大きな濃紺の形が詩的で好きです!
丸く大きな身体が深い海に頭は空の色、そして頭の上の大きな塊は白い雲に見えてきました。
人の身体と頭の塊が一転、風景に見えてきて重さが無くなる展開が素晴らしいです!!
きっと、悩み(重さ)を抱えた人間が風景に同化して、「軽くなる」造形だと思います。
3つぐらいに絞って、もっと大きくじっくりと作ってほしかったです。

…仕事などでストレスが溜まると、外海に行って、ちょっと深い色の海で身体を沈めて、海面から大空の大きな雲を見上げると、自分が風景に溶け込んでしまいます。(藤澤伸太郎)


大きないびつな石を 小さな頭に乗せる人 身体を深い海に沈めて大空の雲を見上げる

ロ―リングスト――ンと穴に落ちた僕


2017年3月30日

 


 

| oiai | 19:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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