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柏原崇之 2015年作品
題名:This is TEN-TO
作者:柏原崇之
・木材を使ったインスタレーション作品
・東京芸術大学 先端芸術表現科卒業

木材で出来たシンプルな棚に色が塗られた多面体のちぃっちゃな木片がいくつも置かれたインスタレーション作品です。
とても不思議な空間です。未だ作りかけのような棚に大変小さい多面体の木片がいくつも置かれています。
誰も気付かれないように、ひっそりと色が付いた木片が棚の舞台で劇を演じているようです。
現代の都市空間の余白を思わせるような抜けた感覚がいいです!
木屑で出来た多面体の形と色がとても新鮮でいいです。
2つがくっ付いたり、ちよこんと立って乗ったり、まるで小人たちが劇をして遊んでいるようです。
窮屈な現代社会に対するアンチテーゼに成りえています。傑作です!

ただ、もっと徹底して、この抜けた余白を楽しませて欲しかったです。
看板は、主張し過ぎです。要りません。
ちぃっちゃな木片ももう少し欲しかったです。

…僕が子供の頃は、近所に街の余白ような空き地がありました。
その、空き地には、要らない木材が捨てられいて、それでみんなで舞台を作ったり、囲って秘密基地にしたりして、日が暮れて辺りが暗くなるまで遊びました。
それは、大人に知られない秘密のわくわくする空間でした…(藤澤伸太郎)


多面体に削られた ちぃっちゃな木片が並ぶ 空き地の秘密基地日が暮れるまで遊ぶ


2016年4月15日

















 
| oiai | 12:19 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
今津良樹 2015年作品
題名:Untitled
作者:今津良樹
・東京芸術大学 大学院映像研究学科アニメーション専攻在籍
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒
AC広告学生大賞受賞 他

洗濯機の中を回る衣類の動きをアニメーションにした作品です。
作者の普段着ている衣類が目の前でぐるぐる回転しながらねじれていく姿は、ある意味ドラマチックな自画像とも言えます。
そして、衣類の回転が繰り返し繰り返し永遠に回り続ける画面の存在は、「時間」を提示したインスタレーション作品です。
大変面白い発想が斬新な視点で表現されています。
いろいろな自分の衣類がねじれて、ひとつに絡まりながら変化していくディテールが大変面白いです。
その日常の繰り返す円運動を果てしなく繋げることで、壮大な銀河系の永遠の円運動も思わせて、傑作です!!

ただ、衣類がきれいに描かれ過ぎています。
もっと汚れや染みや着古した感じなど、日常のリアリティーが出れば、すごい作品になったと思います。

…僕は、結構独身生活が長かったので、洗濯はよくしました。
洗濯機に自分のむさ苦しい男物の衣類をいっぱい放り込んで、その吸い込まれそうな回転をよく見ていました。自分の世知辛い日常から、トリップするような感覚が好きでした。
昔の洗濯機は回転音が大きく激しく、その回転運動を聞いていると、タイムトンネルの中で自分が回転していく錯覚に襲われました。特に、自分の身体の一部になっているジーパンを洗うときです。
昔、洗濯機がタイムマシーンになった映画もありました…(藤澤伸太郎)



洗濯機に放り込まれた 衣類が螺旋に回る 私の身体揉まれて絞られ天に干す


2016年4月7日
















 
| oiai | 18:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
鈴木亮平 2015年作品
題名:「景観 2015/07」他3点
作者:鈴木亮平
・多摩美術大学 大学院美術研究科絵画専攻在籍

「景観 2015/07」
白地に湖のような形のシルエットが描かれた油絵です。
しばらく見ていると、湖が反転して今度は青い島に見えてきました。
大変面白いです!
どこかで見たことの形にも感じられて、それもいいです。(既視感)
面白いのは、湖のなかに小さな島が在ることです。
あるいは、島の中に在る小さな湖です。
そこに、実際に行って探検したくなり、わくわくします。
大変優れた作品です。
ただ、表現方法が非常に丁寧に描かれて、そこに目がいきます。工芸的になっています。
もっと力を抜いてドローイングしてください。
多分、絵の具の溜まりが流れて出来た形だと思います。
この形が閃いたときの無意識の衝動がドローイングとして現れると、見る人も、そこに出現した島(湖)の瞬間に立ち会えます。(臨場感)
絵画が物としても存在感が出ます。

…二十代後半夏、沖ノ島ちぶり島に1週間滞在しました。そこは火山で出来た島で至るところ奇形な光景が見られ、まさに、シュールで混沌とした世界でした。(どろっと溶岩が溶けて島が出来た…)。
毎日、泳いで、潜ってサザエを取っていました。海の中は信じられないほどの美しさでした。
その島の一番高い山の頂上から絵を描きました。山には、馬が放牧されていました。
眼下には、海が広がり、大きな島が見えました。
昼頃になると海が白いもやに覆われて、白い広大な大地に巨体な湖が出現しました。
巨大な島が巨大な湖になって見えました。
それは、天上の湖のようで、美しいけど恐ろしかったです。(その時のスケッチはあります。)…(藤澤伸太郎)


友と素潜りした海に 火の島が浮かぶ 陽炎の地くらくら湖が現れる


2016年3月21日
















 
| oiai | 17:24 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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