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石部泰亮 2014年作品
題名:Untitled
作者:石部泰亮
・立体作品(石粘土)
・インスタレーション、オブジェ、立体、イラストレーション

なんとも、ユーモアに満ちた作品です。痛烈なアイロニーさえ感じます。

孫悟空に出てくる猪八戒のような欲張りな姿ですが、表情が人間のようです。
その頭部を見ると、頭がポッカリ空いていて、からっぽな空虚感が素晴らしいです!
私たち人間を風刺しているように見えますが、と同時に、これは何かを入れる器にも見えてきます。
つまり、作者はこの豚の姿を器という物にするために、からっぽにしたのか!欲深な人間が『器』になるためには頭をからっぽにすればいいのか。
そう思うと、豚の姿の器になんとも哲学的な神々しさを感じました。

作者の「Untitled」表題の無い、というタイトル。
見る人がいろいろと自由に考えて見て、最終的には頭をからっぽにして見ればいいのだと思いました。

現代の圧倒的に溢れる情報社会にこのからっぽの空虚感は、哲学的な詩を感じます。秀逸です!

もっと大きい方が、からっぽの中に、何も無い宇宙が見えてきたと思います。
表面のなめらかさももっと欲しかったです。
作者の人の虚をついた発想。これからも楽しみです!(藤澤伸太郎)








 
| oiai | 12:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
鈴木亮平 2014年作品
題名:「Work:2014-04 No.1」「Work:2014-06 No.2」
作者:鈴木亮平
・多摩美術大学 絵画学科油画専攻卒業 大学院美術研究科在籍

「Work:2014-04 No.1」
作者は実験的な試みをしています!
絵画としてではなく、物としてそこに存在させようとしています。
三枚の同じ大きさの細長いキャンバス、普通よりかなり薄くしてボードにしています。
3枚にすることで、絵としての中心が無くなり、イリュージョンが消えます。

表現方法は、初めは一枚の大きなキャンバスを寝かせて、油絵の具を大量に垂らして、おそらくキャンバスを傾けて絵の具の液体をなすがままにして、油絵の具の物質感を楽しんでいます。時間とともに油と顔料の粒が分離して、表面にミミズの模様がいっぱい出来、木目の波紋が浮かび上がって、それが大変面白いです!
ただ下の方の緑色のぼかしはイリュージョンが感じられて良くないです。
マチエールだけにしたら、もっと格好良かったです。
最後に、一枚の絵を細長い三枚の板にして、狭い視野で見させ、マチエールがより浮かび上がって見えて成功です!

しかし、作者の実験的な楽しみが、外に向かってもう一つ伝わりにくいです。
もっと大胆に徹底的に油絵の具の物質感を外に向けて伝えてください!
絵を描く材料として油絵の具があるのでなく、油絵の具の物質感が物(ボード)を生み、空間を生みだす、逆転の発想が大変面白いですから、思い切りやって、現代の空間にその物質感を投げ出して下さい!
これからが楽しみです。(藤澤伸太郎)

「Work:2014-06 No.2」
小さい作品です。背景の油絵の具の垂らした物質感が大変いいです。
緑色と紫色と油が微妙に分離して、マチエールが大変きれいです。
いくつも黒く描かれた「ハ」の模様は要らないと思います。
油絵の具の物質感が正方形のボードを生み出しています。惜しかったです!(藤澤伸太郎)














 
| oiai | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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