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野田晴太 2013年作品
作品:銅版画6点、銅版2点
作者:野田晴太
・多摩美術大学絵画学科版画専攻3年


画面全体がしつこいほど線で掘り込まれているのですが、見る人に押し付けがましい印象を与えない作品だと思います。
粘性が高く湿っぽい感じの彼の作風と、銅版という乾いた表現手段がとても合っていると思います。(堀内知之)


彼の今回の銅版画は、お札を刷るのと同じ方法の銅板画です。
絵のイメージは激しい感情や内面的な悩みが溢れていて漫画的でグロテスクです。
その絵を、とても長い時間をかけて版を彫ることで、緻密で硬質な絵に具現化されています。
彼の内面的なイメージを、外へといろいろな人たちへ働きかける力になり大変面白いです!
彼の、デッサン、油絵はシュールなイメージでかなりいいですが、そのなかに閉じ込めるのでなく見る人との共通言語を求める版画を目指しています。
実際にoiai展で作家としてワークショップをし、参加者たちに、版画制作の面白さを伝えていることが、作品にも現れています。
これからももっともっと漫画的でグロテスクな表現で今日の人間を具現化してください!
そのような過激な表現でも下品にならないところが彼の優れた感性です。(藤澤伸太郎)

















| oiai | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
馬渕徹 2013年作品
作品:8mmフィルムによる日常の記録。
作者:馬渕徹
・多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
8mmフィルム「End of July」が、カナダのシーガルセンター美術館で上映。
自身が参加する8mm映画「銀鉛画報会」は、山形国際ドキュメンタリー映画祭、大地の芸術祭、越後妻有アートトリエンナーレ2012に上映。


アナログならではのシチュエーション。
画面が異様に赤く暗く、そこに現像ムラ?のノイズ。
映像は1年前の会場風景。
まるで過去の記憶が炎に包まれて消えていくよう。
もう忘れかけている過去の時間、
記憶の残像を見るような映像でした。(村松弘之)


私は馬渕徹さんの作品が印象に残っています。
8mmカメラの動画は、現代も古いものとして見えるため、どこか懐かしい気持ちになりました。それと同時に、夕暮れ時に友達と遊び終わり、別れるような切なさも感じました。(安藤朝香)


彼は、ここ数年8mmフィルムによる映像作品を出品しています。
oiai展会場の一番奥の暗い部屋に毎年彼の8mmフィルムが映写されています。

そこには、もうひとつの向こうの世界が存在し、映画というより彼の幻想空間、絵画的なイメージが映されています。
8mmの荒い画面は、絵画のマチエールになり、彼の描いている絵の痕跡を感じさせます。その絵は、瞬く間に消え、彼は又、新しい絵を描き、それが又消え、何枚も何枚も絵を描いているように見えます。
特に風景の映像は、生命が鮮明に生まれて、瞬く間に消えていく無常感があり、その眩惑的な映像に吸い込まれます。

映画と絵画との波打ち際で、8mmフィルムの絵画的イメージと戯れている彼の姿が見えます。
その姿は、高度に進んだ現代文明へのアイロニーに成りえています。

彼の映像は、oiai展を向こうの世界から毎年見つめています。
その影響は大です!(藤澤伸太郎)













| oiai | 11:18 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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