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村木友美 2012年作品
2013.06.23 Sunday | category:村木友美
題名:終着点にはまだ着かない。
作者:村木友美
・走ったり 転んだり 迷ったり 振り返ったり…
そこには何もなかった。(文、村木友美)
・インスタレーション、オブジェ、写真、絵画、動画(映像)
自分が長い間使っていたメモ帳をオブジェにした作品です。
メモ帳には、文章、図、写真、切抜き、などなど、彼女
が生きてきた分厚い記録が残されていました。
その生きてきた記録のメモ帳を紺色の染料のなかに浸けて、
それを、取り出して時間をかけて乾かして、もう二度とめくれない読
めないメモ帳にしました。
そのよれよれになったページはくっ付き、開いたページの文字は
滲んで読めません。
彼女は、何年もの記録を無にしてしまいました。
かわりに、海を思わせる美しいオブジェにしました。
極めてプライベートなメモ帳にフィクションとしてのドラマを加えて
デフォルメ(変形)したことで、メモ帳との距離感が生まれました。
そのドラマは、彼女が自分の過去の記録を海底に沈めて…、
それを拾い上げて、何日もかけて乾かして変形させた…と、
私は勝手に物語をイメージしました。
読むことの出来なくなったメモ帳ですが、見る人が物語をイメー
ジする時間と空間を造りました。
素晴らしい発想と表現です。いつもながら、彼女の大胆な行動
に驚き感動しています。
次も楽しみです!(文、藤澤)
作者:村木友美
・走ったり 転んだり 迷ったり 振り返ったり…
そこには何もなかった。(文、村木友美)
・インスタレーション、オブジェ、写真、絵画、動画(映像)
自分が長い間使っていたメモ帳をオブジェにした作品です。
メモ帳には、文章、図、写真、切抜き、などなど、彼女
が生きてきた分厚い記録が残されていました。
その生きてきた記録のメモ帳を紺色の染料のなかに浸けて、
それを、取り出して時間をかけて乾かして、もう二度とめくれない読
めないメモ帳にしました。
そのよれよれになったページはくっ付き、開いたページの文字は
滲んで読めません。
彼女は、何年もの記録を無にしてしまいました。
かわりに、海を思わせる美しいオブジェにしました。
極めてプライベートなメモ帳にフィクションとしてのドラマを加えて
デフォルメ(変形)したことで、メモ帳との距離感が生まれました。
そのドラマは、彼女が自分の過去の記録を海底に沈めて…、
それを拾い上げて、何日もかけて乾かして変形させた…と、
私は勝手に物語をイメージしました。
読むことの出来なくなったメモ帳ですが、見る人が物語をイメー
ジする時間と空間を造りました。
素晴らしい発想と表現です。いつもながら、彼女の大胆な行動
に驚き感動しています。
次も楽しみです!(文、藤澤)
野田晴太 2012年作品
2013.06.09 Sunday | category:野田晴太
題名:熊 / 父親
作者:野田晴太
・この作品は、特に深い意味はありません。
・自分が気持ち良く描く事を一番に考えて制作しました。
・作品のモチーフは、それぞれ熊と父親です。
・有機的で生命感のある作品になったと思います。
(文、野田晴太)
・多摩美術大学絵画学科版画専攻
「熊」
熊が寝そべっている姿が描かれている油絵です。
よく見ると熊とその大地が等高線で出来た立体の地図のようです。
高いところは、真っ赤になってまるで火山活動をしている大地のよう
です。真っ赤な溶岩が曲線を描いて流れています。
腹のところには、深い深いブラックホールが見えます。
造り物の熊の絵ですが、まがまがしい火山活動の生命力と
深い死の淵を感じさせる表現力が素晴らしいです。
「父親」
父親の絵もだまし絵の方法で描かれています。
よく見ると、頭部は果物の皮で出来ています。
顔は、熟れた果物のようにも、魚の顔のようにも見え、その皮膚が
艶々(つやつや)と生々しく描かれています。おまけに、口の中に
釣り針が見えて、ぞっとします。
2点とも、生命と死が刺激的に描かれて、啓示的な物
語性が感じられます。大変優れた絵画です。
これからも、彼の絵画的世界を見るのが楽しみです(文、藤澤)
作者:野田晴太
・この作品は、特に深い意味はありません。
・自分が気持ち良く描く事を一番に考えて制作しました。
・作品のモチーフは、それぞれ熊と父親です。
・有機的で生命感のある作品になったと思います。
(文、野田晴太)
・多摩美術大学絵画学科版画専攻
「熊」
熊が寝そべっている姿が描かれている油絵です。
よく見ると熊とその大地が等高線で出来た立体の地図のようです。
高いところは、真っ赤になってまるで火山活動をしている大地のよう
です。真っ赤な溶岩が曲線を描いて流れています。
腹のところには、深い深いブラックホールが見えます。
造り物の熊の絵ですが、まがまがしい火山活動の生命力と
深い死の淵を感じさせる表現力が素晴らしいです。
「父親」
父親の絵もだまし絵の方法で描かれています。
よく見ると、頭部は果物の皮で出来ています。
顔は、熟れた果物のようにも、魚の顔のようにも見え、その皮膚が
艶々(つやつや)と生々しく描かれています。おまけに、口の中に
釣り針が見えて、ぞっとします。
2点とも、生命と死が刺激的に描かれて、啓示的な物
語性が感じられます。大変優れた絵画です。
これからも、彼の絵画的世界を見るのが楽しみです(文、藤澤)
⇒ 榊原 (08/16)