Page: 1/1   
木俣智裕 2012年作品
題名:WAVE
作者:木俣智裕

・クレパス画
・画用紙の上でクレパスが滑る音を聴いていたら、
 できた模様です。(文、木俣智裕)
・油絵、水彩画、クレパス画、イラストレーション


作者はこの絵を独特な方法で描きました。
それは、視覚によって描くのではなく、
紙の上にクレパスが滑る音
を聴きながら描きました。

それゆえ、この絵は視覚から解放され、
大変自由な線で表現されています。
桃色の色画用紙(109×79cm)に
クレパスの滑る音、線の上に
重なる音、クレパスの腹で滑らせる音、
クレパスの色によって変化する音、
無意識のなかで繰り広げられる交響曲です。

現代のがんじがらめの映像言語から
解放された原初的な風景を思わせます。
巨大なカマキリや始祖鳥が見えてきましたが
次の瞬間、
それは力強いWAVEの模様になっていました。

大変示唆に富んだ表現方法で
描かれた斬新で見事な作品です!
これからもいろいろな素材の
音を奏でて描いて下さい。
(文、藤澤)







| oiai | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
袴田竜太郎 2012年作品
題名:今日の接点
作者:袴田竜太郎

・何に見えますか!?気がついてしまうと、もう気が付く前
 には戻れません。気がついてから見方や感じかたが変わる
 事の連続が日々ではないでしょうか。
 人は気が付き、気持ちの変化の連続の中で生きているの
 です。その時の気持ちはその時にしか感じることが出来ません。
 (文、袴田竜太郎)
・オイルペイント
 多摩美術大学美術部絵画学科油絵専攻卒
 2011年11月浜松市美術館「生きている美術館」に
 作家として参加。



遠くから眺めていると
田舎の雪景色のように見える油絵です。
近づいて見ると、そこにいろいろな動物、魚、
怪物がいっぱい見えてきます。
しかも、その生物(いきもの)たちは、
動いたり、叫んだりしています。
極めてシュールな表現です。

作者は、日々その紙が破けたような形から
見えてきたものに、ほんの少し
描きたして生物を存在させていきました。
彼は、その日だけの接点を見つけていたのです。
したがって前日との接点とは
つながらないその日だけの純粋な接点です。
それゆえ、絵の全体を見ると、
全体がわからなくなり、部分をつなげようとすると
つながらなくなります。
のどかな雪景色が大変不安定な様相に、
生物たちがうごめく不安な
状況に変貌します。
その対比の表現方法が絶妙です!

僕も、この絵に接点を探してみました。
すると中央に狼のカウボーイが
いました。別な日の接点は、
絵の左半分以上に、巨大な蟹(かに)の
ハサミと何本もの足を存在させました。
気がつくと楽しんで参加していました。

これは、絵の形をしていますが、
新しい参加型のコンテンポラリーアート
です。実験的な試みが成功した傑作です!
次はもっと大きな画面で試みて欲しいです。
(文、藤澤)









| oiai | 17:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
村松弘之 2012年作品
題名:空を裂く
作者:村松弘之

・冬の木の枝が、空を裂く亀裂のように
 見えたことから着想しました。
 現実の裂け目から垣間見える世界、
 不安定な地方の社会をテーマにした作品です。
(文、村松弘之)
・HP http://www1.linkclub.or.jp/~h-mura/
・心象画家


樹の枝を素描した絵を9点、
幅690×高さ370cmの広い
壁面にインスタレーションした作品です。

この作品の面白いのは、
広い壁面に明るいところと
暗いところを造ったことです。
暗いところの絵は、
不気味なイメージに見えます。
気味悪い虫やねずみ、あるいは、
大空がひび割れているようにも見えます。
明るいところの絵は、
木の枝が描かれていることがわかります。

大空と樹の枝という地方の日常風景が
不吉なイメージに変貌してしまうという
作者の心象的な不安が見る人も広い壁面での
インスタレーションを体験することで、
私たちとの共通の不安になりえます。

いつも彼は実験的な試みで、
絵の見方を広げてくれます。
地方から生まれた意欲的で
優れたインスタレーション作品です。
淡々と描かれた素描は、大胆な構成と、
繊細な線が素晴らしいです。(文、藤澤)










| oiai | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

Profile

Category

Entry

Comment

Archives

Search

Link

Mobile

qrcode

Recommend