題名:「うねりの旅」Surging trip
作者:鈴木陽
・本作品は2016年8月に三重県鳥羽市で開催された小竹信節ゼミナール4年生展示「水が私にくれたもの What the Water Gave Me」に出品したものです。
三重県発祥とされる海女をテーマに、海辺に設置することを前提として制作しました。
海風に揺れる本作品は、風に揺れる海の波、そして海の状況に簡単に影響されてしまう海女の人生を呈しています。(鈴木陽)
・武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業
36本ぐらいの沢山の金属の棒が水平の支柱に平行に吊されています。
海風が吹きますとその支柱が揺れて、沢山の棒がゆらゆら波の形になり、金属が触れ合う音を奏でます。
まことに幻想的なインスタレーション作品です。
今回は室内の展示で風が吹きませんので、見る人が紐を引っ張って金属の棒を揺らします。(参加型の作品)
室内だから、壁や床に映る影もゆらゆら揺れて、そのダイナミックに揺れる空間が大変面白いです!!
彼の作品は、いつも斬新で詩的です。
ただ、今回はちょっと説明的で見る人の視点に合わせ過ぎで分かりやす過ぎです。
もっと、突き抜けた表現にして欲しかったです。
例えば、この作品を下に潜れるように高くして、紐を下から引っ張って、自分の頭上高く波打ち奏でる音に巻き込まれるようにして欲しかったです。
見る人の視点でなく、海底に潜った海女の視点です。
もっと、トンがった見せかたをした方が…傑作になったと思います。
ファイルに在った小品ですが、絶対に履くことの出来ないトンがったハイヒール、りんごの芯が極細の針金で「無」を感じさせる作品は、ドキッとさせて、見る人の視点をぐらぐらさせます。
今回の作品も見る人の視点ではなく、違った視点から感じさせる作品にして、ぐらぐらさせて欲しかったです。
作品を屈んで潜って見上げたときは、視界がぐらぐらしました!!
…海に潜るのが好きで、1日中素潜りでサザエなどいっぱい取りました。
ある日、海底がとても美しくサザエを採るとその美しさ壊れそうで、サザエが海底に居たいのだと強く思いました。
息が苦しくなり、耳鳴りがして、やっと海上に…それ以来採るのを止めました…(藤澤伸太郎)
無数の金属の線 頭上高く波打ち 奏でる音に吸い込まれる海女
トンガッタサザエガイタイ!
2017年6月11日
⇒ 榊原 (08/16)