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鈴木陽 2017年作品
題名:「state」「forth」 
作者:鈴木陽
・インスタレーション作家 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒


「state」
何かに使われていた廃品の木と金属の一部を加工し、じっくり磨いて、塗料を塗って制作した
立体作品です。
長方形と上の円弧の薄い表面がとてもユーモラスで美しいです。
何のへんてつもない形をしばらくじっと見ていると何か不思議な生き物の顔に見えてきました。
それは、手作業で磨きあげた柔らかな表面のあたたかさと釘の跡のヘンテコな穴のせいです。
その2つの穴が実にユーモラスです。
又、木や金属の表面に風の波紋が美しく輝いています。

ただ、「forth」もそうですが、展示の方法が良くないです。
作品の存在がまとまりすぎて弱いです。
いっそのこと、作品を横から縦にして、壁に付けてみたらと思います。
僕は、鋭く尖った円弧の金属が1番好きです。
それが生かされるように鋭い金属の円弧が前に出るように壁に縦に展示して欲しかったです。
穴が目になり耳になり面白いです。
くちばしのある鳥にもみえます。インスタレーション作品として見る人と関係が生まれます。   

「forth」
こちらも同様に、突き出るようにトンガッタくちばしを前に壁に展示すれば、くちばしの
鋭い鳥にも見え、トンガリが生かせてインパクトが生まれます。
つまり2つ共、形の特徴のトンガッタところを生かした展示して欲しかったです。
2種類の鳥が出来、2つの作品に繋がりが生まれます。
多分、作者が物に関わっていく無意識の表れかたに2つに共通するトンガッタところに
ありますから、それを生かせば、2つが響き合う空間が生まれます。(藤澤伸太郎)



何故かいつもトンガッテしまう
トンガッタ形が好きなのか

ハイヒール 流木 細い金属棒
丸いりんごも噛ってトンガラセテしまう

トンガッタ形は鋭いくちばし
鋭いくちばしからさえづる僕の言葉
風を震わせ遠くまで届く言葉

貴女のいるところまで届ける言葉
何度も何度も
風に乗ってひびく言葉は

僕の身体に風の形を刻む


2018年6月4日 

 

| oiai | 18:03 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
鈴木陽 2016年作品

題名:「うねりの旅」Surging trip
作者:鈴木陽
・本作品は2016年8月に三重県鳥羽市で開催された小竹信節ゼミナール4年生展示「水が私にくれたもの  What the Water Gave Me」に出品したものです。
三重県発祥とされる海女をテーマに、海辺に設置することを前提として制作しました。

海風に揺れる本作品は、風に揺れる海の波、そして海の状況に簡単に影響されてしまう海女の人生を呈しています。(鈴木陽)
・武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業 


36本ぐらいの沢山の金属の棒が水平の支柱に平行に吊されています。
海風が吹きますとその支柱が揺れて、沢山の棒がゆらゆら波の形になり、金属が触れ合う音を奏でます。
まことに幻想的なインスタレーション作品です。

今回は室内の展示で風が吹きませんので、見る人が紐を引っ張って金属の棒を揺らします。(参加型の作品)
室内だから、壁や床に映る影もゆらゆら揺れて、そのダイナミックに揺れる空間が大変面白いです!!
彼の作品は、いつも斬新で詩的です。

ただ、今回はちょっと説明的で見る人の視点に合わせ過ぎで分かりやす過ぎです。
もっと、突き抜けた表現にして欲しかったです。
例えば、この作品を下に潜れるように高くして、紐を下から引っ張って、自分の頭上高く波打ち奏でる音に巻き込まれるようにして欲しかったです。
見る人の視点でなく、海底に潜った海女の視点です。
もっと、トンがった見せかたをした方が…傑作になったと思います。

ファイルに在った小品ですが、絶対に履くことの出来ないトンがったハイヒール、りんごの芯が極細の針金で「無」を感じさせる作品は、ドキッとさせて、見る人の視点をぐらぐらさせます。
今回の作品も見る人の視点ではなく、違った視点から感じさせる作品にして、ぐらぐらさせて欲しかったです。
作品を屈んで潜って見上げたときは、視界がぐらぐらしました!!

…海に潜るのが好きで、1日中素潜りでサザエなどいっぱい取りました。
ある日、海底がとても美しくサザエを採るとその美しさ壊れそうで、サザエが海底に居たいのだと強く思いました。
息が苦しくなり、耳鳴りがして、やっと海上に…それ以来採るのを止めました…(藤澤伸太郎)


無数の金属の線 頭上高く波打ち 奏でる音に吸い込まれる海女

トンガッタサザエガイタイ!


2017年6月11日

 


 

| oiai | 06:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
鈴木陽 2015年作品
題名:流木
作者:鈴木陽
・流木を素材にしたオブジェ作品
・武蔵野美術大学 空間演出学科4年

海辺で拾ってきた流木を、加工し作品化したオブジェ作品です。

まるで早い流れそのものの疾走感が形になっています。素晴らしいです!
流木が長い年月の自然の力で削り取られ、作者のイメージで滑らかなシンプルな形になっていますし、尾の方は更に削り取られて、ザラザラした波紋の木目が現れて、そのディテールの波紋が海を思わせます。
この作品は、森に在った木が自然の力と作者の力で削ぎ落とされて、美しい詩になったと思います。傑作です!
キラキラした艶やかな表面と、尾の幾何学的な波紋のレリーフが魅惑的です。

ただ、展示の方法が良くないです。台に置かずにピアノ線か何かで空間に浮かべて欲しかったです。
裏側の暗い影の面も見たかったです。
その黒い影は恐ろしい魔物の巨大な爪か歯のように感じられるかもしれません。

…昔、家の近くの海辺に友達とよく遊びに行きました。帰りにとても面白い形の流木を拾ってきて、部屋に飾っておきました。
その流木は、昼間見ると巨大な尖った貝のように見えて遥かな海のロマンを感じましたが、真夜中に目を覚まして見ると、恐竜の骨がうごめいているように思われ恐ろしかったです。
自然の力で出来た流木が昼と夜とで全く逆のイメージに見えたことが忘れられません…(藤澤伸太郎)


  海辺で見つけた森のかけら みがいた「疾走」 真夜中のへや魔物のまさぐる真っ黒い爪


  2016年5月23日
















| oiai | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
鈴木陽 2013年作品
題名:雨、まち
作者:鈴木陽
・武蔵野美術大学 造形学部空間演出デザイン学科2年


雨、まちをイメージした作品です。
斑点模様のある紙を蛇腹状に折り、壁ぎわの床に置き、後ろからライトを当てています。
雨が街の灯りで浮び上がる様子が表現されています。詩的な美しさがあります。

菓子箱等にある蛇腹状の梱包材を巨大化(4m位)したような形を壁ぎわの床に無造作に置いたインスタレーションです。
その発想が素晴らしいです!
動きながら見ると斑点模様と蛇腹の線がゆらゆら動いて見えます。
雨のなかを風が曲線を描いて通り過ぎていく様子も見えます。傑作です!
大変シンプルですが、見る人がいろいろとイメージを膨らませることが出来る作品です。

会場奥の行き止まりの壁ぎわに設置した空間演出が、大変面白い効果を生み出しています。
もっと大きくすれば、更に迫力が出たと思います。次が楽しみです!(藤澤伸太郎)








 
| oiai | 09:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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