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村木友美 2014作品
題名:欲
作者:村木友美
・油絵30号
・写真、油絵、インスタレーション、オブジェ  

「欲」
作者が身近な日常から取材したものを、ドキュメンタリーの手法で描いています。
日頃、作者は写真家として活動しています。(なかなかいい写真を撮っています。)
その作者の目が、現代の空間から、一枚の映像に切り取って、その映像をドキュメンタリーに徹して描き、絵画的にしないで、ありのまま絵にしたことが成功しています。

人工の歯を付けるために、口の中の骨に穴を空けた映像が油絵で描かれています。
一面真っ赤な画面が美しく見えますが、よく見ると、骨に穴が空いていますし、なにやら、肉も裂けているように見え、大変グロテスクです。
現代の先端医療をテーマにしていますが、作者のストイックな目が絵を極物的でジヤーナリスティックな表現に陥らせることなく、ありのままに描いて、「欲」と言う概念を浮かび上がらせています。
特にマチエールが斬新で美しいです。傑作です!

もっと、大きな画面すれば、象徴的な「欲」になったと思います。

これからも、写真家の目で取材した映像を、ドキュメンタリーの手法でありのまま描く独自な絵画を目指してください!(藤澤伸太郎)








 
| oiai | 16:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
村木友美 2012年作品
題名:終着点にはまだ着かない。
作者:村木友美

・走ったり 転んだり 迷ったり 振り返ったり…
 そこには何もなかった。(文、村木友美)
・インスタレーション、オブジェ、写真、絵画、動画(映像)


自分が長い間使っていたメモ帳をオブジェにした作品です。

メモ帳には、文章、図、写真、切抜き、などなど、彼女
が生きてきた分厚い記録が残されていました。
その生きてきた記録のメモ帳を紺色の染料のなかに浸けて、
それを、取り出して時間をかけて乾かして、もう二度とめくれない読
めないメモ帳にしました。

そのよれよれになったページはくっ付き、開いたページの文字は
滲んで読めません。
彼女は、何年もの記録を無にしてしまいました。
かわりに、海を思わせる美しいオブジェにしました。

極めてプライベートなメモ帳にフィクションとしてのドラマを加えて
デフォルメ(変形)したことで、メモ帳との距離感が生まれました。

そのドラマは、彼女が自分の過去の記録を海底に沈めて…、
それを拾い上げて、何日もかけて乾かして変形させた…と、
私は勝手に物語をイメージしました。

読むことの出来なくなったメモ帳ですが、見る人が物語をイメー
ジする時間と空間を造りました。
素晴らしい発想と表現です。いつもながら、彼女の大胆な行動
に驚き感動しています。
次も楽しみです!(文、藤澤)







| oiai | 20:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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